こんにちは、ゴールデンタイムの「コボヒロ」です。
「筋トレ後に30分以内をゴールデンタイムと呼ぶ」
「ゴールデンタイムにプロテインを摂取すると筋肉の付きがよい」
「ゴールデンタイムにタンパク質を取らない人はバカ」
なんて話をよくWebで見かけたり、ゴールドジムの筋トレ初心者たちが話しているのをよく耳にします。
断言しますけど、ゴールデンタイムなんてモノはこの世に存在しません。
もちろん、それっぽい論文は多数ありますが、そのすべてが明らかに信頼性に欠ける論文です。
人生にボーナスタイムがないのと同じで、筋トレ後にもゴールデンタイムなんてものはないのです。
ゴールデンタイムとはなんぞや?

「ゴールデンタイム」という概念を論文にしたモノがコチラになります。
有料会員しか読めない上にとても長いので要約すると、
「筋トレで筋組織がズタズタに破壊される。30分から1時間以内にタンパク質を補給することで、素早くアミノ酸に変換され、破壊された筋組織までアミノ酸が届き、効率よく筋肉の修復を行った結果、筋肉が通常よりも多くつく」
といういかにも「ゴールデンタイム」の核心をついた結論になるのですが、この論文は実験内容や仮定に問題点が多すぎます。
ゆえに、信ぴょう性が全くない論文と言えるのです。
問題点①「実験期間が短すぎ」問題
具体的な数字は有料会員に悪いのでここでは伏せますが、
「筋トレ後、数時間はタンパク質合成が増加するタイミングを発見したよ!」
という結果が出たのは間違いないのですが、こちらの論文の研究時間はたったの「数時間」です。
そこそこに信頼性の高い論文は基本的に「1週間~1年」の追跡調査などが基本です。
にも関わらず、たった1日数時間しか行われていない研究で、真実の真偽がわかるのでしょうか?
これじゃまるでギャンブルと同じです。
「その日はたまたまそうなったかもしれない」
「でも、明日は全く違う結果かもしれない」
その可能性を疑っていない時点でかなり疑わしい論文です。
例えば、「パチンコは絶対に儲かる」という結論の論文がありました。
実験内容は「数時間」です。被験者は「1人」です。
さて、あなたはこの論文を信じますか?
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少なくとも僕は絶対に信じません。
だって、「パチンコは99.9%は儲からない」仕組みだからです。
問題点②「食事の差別が激しい」問題
この研究の大きな問題点は、被験者は前日から絶食状態(カタボリック)にさせられていた、という点です。
少し専門的なお話になってしまいますが、人間は絶食状態(カタボリック)だと、どんな栄養素を摂取しても自動的にアナボリック(同化)な状態にしようと体が本能的に動作します。
と言うことは、
「炭水化物を摂取しても、効率よく吸収可能」
「脂質を摂取しても、効率よく吸収可能」
「たんぱく質を摂取しても、効率よく吸収可能」
なので、これって物凄く当たり前のことを言っているだけです。
乱暴に説明するなら、
「腹減ってるときに飯食ったらめっちゃエネルギー変換率良かったわ!」
ただそれだけです。
これの何が「ゴールデン」なのでしょうか?
絶食状態の人間になることが「ゴールデン」なのでしょうか?
なぜこの論文が世間一般に流布されているのか意味が分からないのですが、よくよく推論を重ねていくと、やはり資本主義の弊害が顔を出してきました。
※
「ゴールデンタイム理論」は企業が儲かる。

やっぱり誰かしらが儲かるからこういう通説はどこまでも生き残るのです。
「自動車の寿命は10年10万キロ」と言った通説も結局は嘘で、企業が儲かるためのマーケティングに過ぎません。
ゴールデンタイムもまたしかりで、結局はプロテインメーカーが「ユーザーの消費量をどうやったら増やせるのか?」について考えぬいた結果のマーケティングです。
プロテインメーカー的には最高の謳い文句です。
「ゴールデンタイムにプロテインを飲むのが良い!」
「朝にプロテインを飲むのが良い!」
「就寝前にプロテインを飲むのが良い!」
1日に3回もプロテインを飲んでくれたら、それはだけでプロテインの消費量は通常の3倍になります。
その方が企業は利潤の最大化をねらうことが出来るので、多少騙す結果になったとしても、言い逃れできるギリギリのラインを攻めてくるのが経営のセオリーと言えるでしょう。
消費者の無知を逆手に取ったマーケティングは、個人的にあまり好きではありませんが「これが資本主義社会だなー」と割り切っています。
せめて、この記事を読んだ人がその弊害に巻き込まれないことを願っています。
それでは最後に「結局いつプロテインを飲むのが正解なの?」という疑問にお答えしてから締めくくります。
正しいプロテインの摂取タイミングは「筋トレ後24時間以内」です。

国際スポーツ栄養学会、国際オリンピック委員会、ボストン大学の研究結果によると、
「タンパク質の同化は筋トレ後3~4時間で上昇する」
「その後、24時間は筋タンパク質の合成感度の高まりは持続する」
「そして36~48時間で正常値に戻る」
と発表されています。
ということは、別に粉末のプロテインからタンパク質を摂取しなくても、
「朝食」
「昼食」
「夕食」
でしっかりとした炭水化物、脂質、タンパク質を摂取出来ていれば、筋肉の発達には何ら影響はない、ということになります。
他にも、カナダにあるマクマスター大学の研究報告によると、
「トレーニング強度に関係なく、疲労を感じるまでトレーニングを行えば、合成感度の上昇は24時間後まで継続する」
ということも判明しており、この研究の検証をマクマスター大学は長期間に渡り複数回行い、そのすべてで同様の結果が報告されています。
以上ことから、筋肥大の効果を最大にするためには、筋トレ後30分以内でなく、筋タンパク質の合成感度がピーク値に達する24時間以内に必要なタンパク質を摂取することが重要だと言えます。
誤解のないよう最後に言っておきますが、 筋トレ後30分以内にプロテインを飲んでも効果はあります。
しかし、それは筋トレの2時間後に飲んでも全く同じ効果ですよ。ということをこの記事では伝えたかったのです。
なので、ジムについてから
「うわっ、今日プロテイン忘れた、、、萎えるわー」
なんてことはもう考えなくても良く、家に帰ってからゆっくりプロテインを味わえるようになったのです。
でわまたっ、プロテインのすすぎ汁こと「コボヒロ」がお送りしました。