こんにちは、BCAA否定派の「コボヒロ」です。
みなさんは筋トレやダイエットをしている時に、『BCAA』を始めとするサプリメントを摂取したことはありますか?
「BCAA」「マルチビタミン」「亜鉛」「鉄分」「魚油」などなど、世の中には腐るほどのサプリメントが群雄割拠しています。
そして各企業が
「うちの会社のサプリは〇〇の成分が他社の〇〇倍!」
「特殊な製造法により○倍まで凝縮!」
「効果は○倍なのに、お値段半額!」
といった、さも「このサプリメントは効果ありまっせ!」的なマーケティングをけしかけてきます。
「本当に効果あるの?」
と半信半疑になりながらも、肉体的なコンプレックスを抱えている消費者たちは、藁にもすがる思いでそのいかにも怪しげなサプリメントを購入してしまいます。
しかし、実際は
「藁にもすがる思いで買ったサプリメントが毒薬だった」
なんてことは、サプリメント業界では日常茶飯事で起きています。
そして特にその傾向が加熱しているのサプリメントが「BCAA」と呼ばれている、筋トレマニアから熱狂的な支持を集めている白い粉です。
10年〜20年前までは「筋トレマニアの必需品」と言われたものが、
今やダイエットをしている女性に人気になってきた、というモノですから世も末だなー、と感じています。
せめて、Tochi Geekを読んでくれている数万人の読者の方々には、人生の無駄遣いをして欲しくないとの思いでこの記事を作成しました。
BCAAとはなんぞや?
『プロテイン』『カーボドリンク』と並ぶ筋トレ三種の神器の1つが『BCAA』です。
小難しい言い方をするとBCAAは「分岐鎖アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)」と呼ばれています。
感覚的にはプロテインは「タンパク質」って意味ですよ、ぐらいの名前になっています。
分岐鎖アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)は、筋肉中のタンパク質を構成しているアミノ酸の35%を占めています。
筋トレや運動をすると、筋肉に蓄えられている「糖質→中性脂肪→BCAA」の順番でエネルギーに変換されていきます。
筋トレや運動前にエネルギーが不足していると、筋肉中のBCAAをエネルギーに変換してしまいます。
そうなってしまうと、筋肉を分解しながら筋トレをしていることと同義なので、筋トレの効果が低減します。
BCAAが不足すると「疲労感」「脱力感」「倦怠感」に襲われ、筋トレの効率はさらに下がります。
なので、筋トレ前、筋トレ中にはBCAAを積極的に摂取して、血中のBCAA濃度を上げ、筋肉に含まれるBCAAの分解を抑えることが大切です。
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みたいなことが一般的な説明で、ぼーっと読むと「なんかBCAA凄そう!!」と思うのですが、
実は「BCAAが筋トレに効果的だ」という科学的な根拠は何1つないのです。
『BCAA』には科学的根拠が何1つない
意外でしたか?
でもこの話は「世界のスポーツ業界では当たり前」の事実です。
大塚製薬、森永製菓、グリコ、KONAMIたちは、
「BCAAは効果がある」と言っているぞ。
お前の言い分より私はそっちを信じる。
鋭くてイヤラシシイ人はそういうと思ったので、そういった幻想を今から1つずつ粉々に粉砕して、三角コーナーにポイしてやります。
大塚製薬さんが行ったBCAAに関する2つの研究内容と結果報告
まずは「大塚製薬の研究」をご覧ください。
大塚製薬さんは2つの実験を行っています。
まず1つ目。
BCAA含有飲料が25km走後の血中逸脱酵素活性に及ぼす効果
大学陸上競技部の合宿において、男子長距離選手8名に25km走の3日前からBCAA含有飲料、もしくは対照飲料を毎日3本摂取してもらい(BCAA 6,000mg/日)、当日は25km走30分前に250ml、走行中は5kmごとに自由に摂取させ、クレアンチンキナーゼ(CK)、乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇をみました。
25km走行前、走行中のBCAA摂取量の平均は2,400mgでした。
その結果、BCAA含有飲料、対照飲料の両摂取条件で血中のCKとLDHの活性は上昇しましたが、
LDHにおいてはBCAA含有飲料摂取時で対照飲料摂取時より上昇程度が有意に低いことがわかりました。
結論:BCAAを摂取することで、筋損傷が軽減できる
大塚製薬
なんかそれっぽいことを書いています(笑)
が、大学で論文を腐るほど読んでいた人からすれば、なんばグランド花月で見る漫才よりも「爆笑モノ」の研究内容です。
まず語句の確認をしておきます。
クレアンチンキナーゼ(CK)… 筋肉にエネルギーを貯めるときに働く酵素で、全身の運動をつかさどる骨格筋や心臓の筋肉に多く含まれています。
それらの筋肉が破壊されたときに、血液中で高値になります。
乳酸脱水素酵素(LDH)…ブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素のひとつです。
全身の組織や細胞に存在していますが、肝臓、心筋、骨格筋、血球に多く認められます。
※「LDH」は昔の呼び方で現在は「LD」に統一されています。
それでは研究結果を要約していきましょう。
BCAAを陸上選手にたくさん飲ませました。
↓
その結果、血中の「CK」と「LD」が上昇しました。
↓
「CK」は誤差かもしれないけど、「LD」に関して統計的な相関があったよ。
って言ってるだけです。
みなさんが考えているイメージとだいぶ違ったんじゃないですか?
この研究では「運動機能が上がった」「パフォーマンスが向上した」という文言は一切出てきていないのに、
「結論:BCAAを摂取することで、筋損傷が軽減できる 」
と訳の分からない結論に至っている部分がいかがわしさ満載です。
この研究報告の悪意ある点は
「LDHにおいてはBCAA含有飲料摂取時で対照飲料摂取時より上昇程度が有意に低いことがわかりました。」
の部分です。
ボケっと何となく読んだら、
「BCAAの入っていない飲み物より、BCAA入りの飲み物を飲んだ方が良いんだ」
みたいに錯覚させようとしている部分に悪意を感じます。
「有意に低い」の意味は「誤差の範囲ではなく統計的に意味が有る」という意味です。
論理的にしょぼいから「悪意的な言葉」で誤魔化すしかないのです。
悲しき資本主義社会の弊害ですな。
この研究を「コボヒロ」が考案した誰でも分かるような研究に置き換えてみましょう。
BEER含有飲料が自動車25km走後の血中アルコール濃度に及ぼす効果
居酒屋のおっさんたちにおいて、男子長距離ドライバー8名に25km走の3日前からアルコール含有飲料、もしくは対照飲料を毎日3本摂取してもらい(アルコール 6,000mg/日)、当日は25km走30分前に250ml、走行中は5kmごとに自由に摂取させ、アルコール濃度の上昇をみました。
25km走行前、走行中のBCAA摂取量の平均は2,400mgでした。
その結果、 Beer含有飲料、対照飲料の両摂取条件で血中のアルコール濃度の活性は上昇しましたが、
血圧においてはBEER含有飲料摂取時で対照飲料摂取時より上昇程度が有意に低いことがわかりました。
結論:BEERを摂取すると、アルコール濃度が上がる。
※BEER…ビール
コボヒロ研究所
誰でも分かるとは思いますが
「お酒をたくさん飲んだら、血中のアルコール濃度が上がる」
そんなことは誰でも分かる「当たり前」ですよね?
むしろそんなものを研究して報告されても、「で?それがなんなの?」と言いたくなりますよね?
そのくらいクソみたいな研究報告がBCAAでは当たり前に受け入れられてしまっているのです。
それでは2つ目の研究結果を見ていきましょう。
BCAA含有飲料摂取が合宿中の筋肉痛および疲労感に及ぼす効果
陸上競技部の合宿において、男女の長距離選手12名に、3日間の集中トレーニング期間中(男性:86km走行、女性: 64km走行)毎日、BCAA含有飲料、もしくは対照飲料を2,500ml摂取してもらい(BCAA 20,000mg/日)、3日間の合宿中の全身の筋肉痛と疲労感を評価しました。
合宿前と比べて、対照飲料摂取グループ、BCAA含有飲料摂取グループとも、筋肉痛の増加がみられましたが、BCAAの摂取により筋肉痛の程度が抑制されることがわかりました。
また、疲労感については、合宿前と比べて対照飲料摂取グループでは有意に増加していましたが、BCAA摂取グループでは有意な増加は見られませんでした。
BCAA摂取グループでは、疲労感が抑制されることがわかりました。
※評価方法はVAS(Visual Analogue Scale)法
結論:BCAAを継続的に摂取することで疲労感、筋肉痛も軽減できる
この研究を要約すると
また陸上部にBCAAを飲ませたよ。
↓
疲れたどうかを任意に11段階で判定してもらったよ。
↓
みんなの評価が良かったよ。
というお話です。
しかも遂に禁断の果実「VAS法」に手を出しましたね。
VAS法を簡単に説明すると
ぐらい曖昧な評価基準です。
主に「痛みの評価」に用いる採点基準を、BCAAの効果があった、効果がなかったという研究で使っている時点で論理破綻しています。
しかもこの評価は偏りを生みやすいことで有名です。
例えば、
黒人が黒人に「黒人差別をどう思う?」と聞いた時の回答は本心でも、
白人が黒人に「黒人差別をどう思う?」と聞いた時の回答は、
必ずといって良いほど「相手の希望する答え」になってしまいます。(俗にいう忖度ですね)
この理論がそのままこの研究にも当てはまります。
陸上選手が陸上選手に「BCAAって効果あった?」聞いた時の答えと、
大塚製薬が陸上選手に「BCAAって効果あった?」と聞いた時の答えは全く違います。
そんなの誰だって忖度するに決まっているじゃないですか。
「悪い評価したら就職できなくるかもしれない」
「悪い評価をしたら相手を怒らせるかもしれない」
「悪い評価をすると大塚製薬スポンサーを辞めてしまうかもしれない」
ありとあらゆる可能性を考えて「相手の望む結果」をアンケート用紙に書くに決まっています。
そのくらい歪んだ研究なのです。
森永製菓さんのBCAAに関する見解
まずは「BCAAに関する森永製菓の見解」をご覧ください。
特に科学的な論文や根拠は提示されていません。
BCAAの説明の部分がすべて
「○○の恐れがあります」
「○○と考えられています」
「○○の可能性があります」
ばかりで、クレームが来たらいつでも言い訳ができる準備をしています。
「BCAAの効果がないんだけど!!」
「だから、可能性があるだけで確実ではないのですよwww」
と言われたら泣き寝入りするしかないありません。
グリコさんのBCAAに関する見解
まずは「BCAAに関するグリコの見解」をご覧ください。
グリコさんは「BCAAの利点」がひたすら書いてあります。
- 筋力・持久力アップ
- 疲労回復
- 免疫力アップ・肝機能の向上
- 安眠効果
が、何1つ根拠のある研究事例は示されていません。
一番面白いのは「安眠効果」です。
グリコさんはBCAAを飲んだら「安眠を実現できる」と言っています。
が、BCAAを飲む人の主なタイミングは筋トレ前や筋トレ中です。
にも関わらず、安眠効果って、、、、筋トレ中に安眠を実現されても困ります(笑)
「筋トレ中には安眠効果はないんだ!」ともし言われても、
そんな都合よく人間の体が出来ているとは到底思えません。
KONAMIさんのBCAAに関する見解
まずは「BCAAに関するKONAMIのレビュー記事」をご覧ください。
まずは 「BCAAに関するKONAMIのインタビュー記事」をご覧ください。
KONAMIさんの場合は「あくまで個人の見解です」というスタンスを保っています。
これってTVの通販の表現で、健康食品・サプリメントの分野でよく使われている逃げの構えです。
この表現のズルいところは、
「あくまでも個人の感想であって、この商品は○○の効果があります、と証明するものでは無いよー」
と言えてしまうところです。
この表現を使うことで「注記・予防線」となり、仮にユーザーから
「効果ないやんけ!!」と突っ込まれても
「書いてあるじゃないですか、個人の感想だってwww」
見たいな感じで逃げきりが可能になります。
これがハッキリと
「BCAAは必ずあなたのスタイルを改善します!」
みたいな効果効能を謳ってしまうと「薬事法」や「景品表示法」に触れてしまう恐れがあるため、
このような注釈の下「効果をにおわせる」ギリギリの表現の攻防が繰り広げられてます。
まさにBCAAはドンピシャにこれが当てはまります。
ここまでくると詐欺集団となんら変わりありません。
※「この記事はあくまで個人の見解です♡」とあえて僕は言っておきます。
根拠がないのに『BCAA』が支持されている2つの理由
1.企業やアフィリエイターが儲かる
企業やアフィリエイターがまず最初に狙うターゲットは主に2つあります。
言葉は悪いですけど、
「馬鹿な人」と「コンプレックスを抱えている人」たちです。
※ここでいう「馬鹿な人」は「判断力の乏しい人」を指します。
この2つを合わせた「馬鹿が多くて、コンプレックスを解消できる商品」というモノは、多少高くても面白いぐらい売れます。
「育毛剤」「化粧水」などが最たる例かもしれません。
育毛剤はすべてのハゲの希望です。
日本人のハゲは人生終了と言っても過言ではないぐらい馬鹿にされ、なじられ、いじられ、けなされます。
そこに目をつけた企業は、「30人に1人ハゲが治れば上等の育毛剤」を1万円ぐらいで売っています。
通常な判断が出来る人たちなら買うことはありませんが、ハゲは巨大なコンプレックスなので、藁にもすがる思いでハゲは手を伸ばしてしまいます。
でもほとんどの人は効果ありません。なので、ハゲは諦めて坊主にしてください(笑)
化粧水に関しても同様で「水が80%、アルコールが10%」の商品に、1000~5000円以上の値段がついています。
ほとんど水の化粧水を顔に塗りたくって、本当に効果あって信じてるのかな?(笑)
成分だけ見ればすぐに「えっ?これって効果ないじゃんw」と気が付くものですが、
パッケージを可愛くしたり、可愛い有名人たちも使っているから、という理由でつい買ってしまいます。
このように、馬鹿を上手く騙した方がコストをかけずに企業やアフィリエイターは儲けることが可能なのです。
これが「BCAA」にも丸々当てはまるので、各企業はメリットっぽいことを書きまくるのです。
2.「効果ない」とは断言できない
これに関してはすでに記事にしています。
悪魔の証明と言って「効果がない」ことは証明できないのです。
BCAAはこれに当てはまります。
「BCAAの効果がない」とは断言することは出来ません。
だからと言って「効果がある」とも言い切れません。
なので本当に効果があるかどうか最終的には「自分の体を使って試す」しか方法がないのです。
まとめ
個人的な見解を言っておくなら
「BCAAは効果がない」
と言っておきます。
何1つ研究根拠のない「BCAAの効果を信じろ!」なんて暴論は、
アフリカのおっさんが「今日から俺が日本の天皇な!」というぐらい無理があります。
歴史も根拠もない「BCAA」に何を期待すれば良いのか正直僕は分かりません。
でわまた、よき筋トレライフを!